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含み益を幻にしない、積み立て投資の出口戦略―楽しく増やす!「北澤式」資産運用術【26】

第4部 丸わかり、積み立て投資活用術 ⑥ 含み益を幻にしない、積み立て投資の出口戦略

長期の積み立て投資で当初定めた積立期間や目標額を達成したら、次はどう行動すればいいだろう。時間と資金に余裕があるならそのまま継続するのもいいが、せっかくの含み益が「幻」となって消えないための方策も考えておきたい。資産が一定水準まで増えたら少しずつ保有する投資信託を売却し、実現益を確保するという方法がある。

■売りも何度かに分散

積み立て投資の目標を達成したら、すっぱりと保有投信を売却するというのも当然ありだ。おカネの使い道と使う時期が決まっているなら、選択肢はそれしかない。ただし、保有する投信を一度に売却するのはあまりお勧めしない。もしも全てを売ってしまった後に基準価額が上昇すると、その恩恵を得られずに後悔するかもしれないからだ。売却した投信を買い直す手もあるが、高値掴みをするような気分になって実際に行動に移すのは難しい。やはり何度かに分けて売るのが出口戦略の基本になる。

投資経験が豊富で明確な相場観を持てる人なら、売却のタイミングは市場環境を確認しながら決めればいい。相場の上昇過程で保有分の3分の1か4分の1ずつ売却する「売り上がり」が理想の売り方だ。もちろん、市場が変調をきたしたと感じたら、売り急ぐのをためらう理由は何もない。

もっとも、できるだけ基準価額が高いときに投信を売りたいと思っても、タイミングを見定めて高値で売り抜けるのはかなり難易度が高く、多くの人は実行できそうにない。そこで検討したいのが、例えば6カ月間かけて保有している投信を6分の1ずつ売却するというように、何度かに分けて機械的に売る方法だ。積み立て投資で購入時期を分散したのと同じ考え方で、売却のタイミングに悩まず済む。あらかじめ決めた通りに行動するだけなので、「もっと高く売れたはずなのに」とか「あのとき売らなければよかった」と後悔することも少なくなるはずだ。

■「資産3割増・2割売却」のルール

時間と資金に十分な余裕があるなら、売却することは当面考えず、積み立てを継続するのも有力な選択肢になる。特に目標を達成した時期が相場の下落局面と重なっていた場合など、安値圏での投信の仕込みを続け、売却するのは相場が再び上昇基調に戻ってからにすればいい。

一方、数年先に資金を使う具体的な計画がある人や、資産の本格的な取り崩し時期が近付いてきたシニア世代などは、少しずつ投信の含み益(時価評価額―投資額)を実現益に変えていくことを考えたい。実際におカネを必要とする時期が株式相場の下落局面と重なってしまったら、含み益は幻と消えて資金計画は狂いかねないからだ。手にする実現益が増えていくことで、達成感や安心感を得られるという効用もある。

少しずつ実現益を確保する場合でも、タイミングに悩まないように売却のルールを決めておいた方がいい。一例を挙げると、毎月の積み立て投資を続けながら、資産の時価評価額が投資額を3割上回ったらその月は新規の購入を見送って、代わりに保有投信の2割を売却する、というものだ。その後は再び毎月の積み立てを続け、資産額がもう一度、投資額より3割増えたら投信の2割を売る、という売買を繰り返す。

グラフは上記のルールに従って売買を続けたときの試算だ。2010年1月から毎月末に先進国株のインデックス型投信を3万円ずつ積み立て、12年10月に投資元本が100万円を超えたのを機にもうけの一部を実現益として確定することにした、という想定だ。結果をみると今年10月までの投資総額は360万円で、値上がりによって投信を売却できた機会は計10回、実現益の合計は約346万円だった。一方、今年10月末時点の保有投信の時価評価額は166万円で、実現益と合わせた総資産額は512万円になった。

資産売り買いルール

単純に積み立てを継続した場合(投資総額は390万円、10月末時点の総資産額は約667万円)に比べると、途中で投信を少しずつ売っているため利益は少なくなる。しかし、このルールの目的はあくまで含み益を少しずつ実現益に変えていくことだ。その目的を達成したうえで、期間中の投資額に相当する金額を実現益として回収できたのは大きい。

この「資産が投資額より3割増えたら保有投信の2割を売る」というのはルールの一例で、実際の数字は人それぞれの都合に合わせて決めてほしい。積み立て投資と同じで、投資の出口戦略でも決めたルールをしっかり実行するのが肝心だ。

第4部の「丸わかり 積み立て投資活用術」は今回で終わり、次回からは新シリーズをお送りする。(QUICK Money World=北澤千秋)

著者名

QUICK Money World 北澤 千秋

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